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愛してるなんていらない
第5章 再会
「え?」
「教えて。」
初め何を言っているのかわからず戸惑っていると、不思議そうな顔をした。
「あ、嫌だった?じゃあいいよ。」
そういってまた仕舞おうとするのを慌ててとめる。
「あ、嫌じゃないです!ただ、今バイト中だから持ってなくて..」
「あっ、そっか。じゃあこの間の友達に教えてもらっといてよ。」
彼は改めてポケットに仕舞うと、それだけ言って帰ろうとした。
「ちょ、ちょっと!」
「なに?」
振り向くと彼が尋ねた。そしてくすっと笑った。
「前にもこんなことあったね。」
「え?」
「ほら、帰り。同じやり取りじゃん。」
「あ..ほんとだ...じゃなくて、あの、百合..友達、片桐さんの連絡先消しちゃったみたいで・・」
あの後、もう用ないよね、といって百合は連絡先を消してしまっていたのだ。
「え、そうなの?じゃあ..」
そういって胸ポケットからメモ帳を取り出し、さらさらと電話番号を書いて私に渡した。
「今日何時終わり?」
「あっと..今日は早いから19時前..準備してたら過ぎるかな。」
「じゃあその後電話して。迎えに行くから。ちょっと遅れるかもしれないけど。」