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愛してるなんていらない
第6章 自慰

「決まった?遠慮しなくていいから。」

「じゃあ、これ・・」

カルボナーラを指差すと、彼はニッコリしてウェイターを呼んだ。

(笑ってる....)

時々見せる笑顔に少し胸がざわめく。

ウェイターの運んできた水を口に含み、心を落ち着かせていると、
注文し終えた彼が私に向き直った。

「まさかあそこで働いてるとは思わなかったよ。俺、結構行ってたんだけどね。」

気づかなかったな~という彼。

「たぶん、曜日じゃないですか?
私とあの..大学の後輩で、祐子っていうんですけど

二人とも水・金に入れてたんです。
けど最近バイトの子が二人辞めちゃって..
急遽、今日は大学が昼までだったから、私たちがシフトに入ってて。」

「ああ・・俺、水・金はちょうど会社のミーティングが夕方に入ってるから
ああいう時間が取れないんだよね。」

「お仕事は?」

「普通のサラリーマンだよ。ずっとパソコンと向き合ってる。」

そのとき、ウェイターが来て、ワインをグラスに注いだ。

「あ、しまった・・・ワイン飲める?」

「はい。大丈夫です。」

ウェイターがいなくなると、私たちは話に戻った。
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