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人妻縄人形
第2章 囚われ、淫ら、
「木谷専務、由布子君、矢吹君のことは任せたよ。たぶんパリを選ぶと信じてるんだが?なんにせよ、このパソコンの中身と君の机の上のものは全てコピーを取らせるから安心しなさい。まっ、君は捨て駒らしいからね。由布子君、木谷専務にしっかり頼んであるからね。」


「はい、社長ありがとうございます。それでは、これで。あの静香さんには?」


 少し気になった風に、三沢由布子が聞いた。


「あぁ、きょうはこれくらいかな。彼女には教えなきゃならないことがあるんでな、三沢君。あぁ、そうだ!木谷専務、あとで取調室に寄るよ。」


 わかりました、と頭を下げ矢吹を連行するように二人がいなくなった。
 ただ静香には、由布子の最後の一瞥(いちべつ)が気になった。


(いまのは、あわれみ?いえ違う、うらやましさ?わからない、悔しさ?まさか違うわよね?)


 彼女の心に小さな引っ掛かりが消えなかった。


「こっちにおいで、静香。面白いものを見せてやろう。ふふ。」


 一樹が手招きするように静香を呼んだ。
 入り口から少し中に入った壁際に立ち、静香がくるのを待っていた。


「お義父さま、なんでしょう?この絵ですか?」


 静香の肩に手を回しながら、


「まあ、見てからのお楽しみだ。」


 ニヤッと皮肉っぽく笑う一樹の左手が、小さなリモコンのスイッチを押した。
 すると。壁がそのまま上に上がり、エレベーターが出現した。


「うそっ、エレベーターって!?」


「さあ、乗りなさい。お前に見せたいものはこの上にあるんだ。」


 はい、と答えながらエレベーターにのりこんだ。
 「上」と「下」と書かれたボタンが行く先を示していた。
 エレベーターのドアが閉まると抱き寄せられ、唇を重ねあっていた。
 唇が唇を求め、舌が舌を求め、ケダモノのように唾液をすすりあった。


(だめ、、でも、、まってた、、もっと、、、)


 唇が放れ、身体と身体を密着させたまま、お互いを見つめあっていた。
 静香の心臓がドキドキと早鐘を打った。
 女の部分と触れ合う義父のたくましいモノが、静香を刺激し、社長室での淫らな自分を思い出させた。


「さあ、秘密の部屋にようこそ、静香。」


 エレベーターのドアが開くと、おどろきの世界が待っていた。


「こ、これって、ホテル?リゾート?うそっ!」
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