この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
意地悪な指先
第2章 夕方の生徒会室
がちゃっ
と、
生徒会室のドアが開くと
シンナーの容器を持ったひろと先生が入ってきて、
ピタリと止まった。
体育祭の旗を作るときに
こぼしてしまったペンキを拭き取るため
シンナーを貸してほしいと頼んだのは
葵だった。
「…下校時刻、過ぎてるぞ」
指と指を絡める2人を無視して
先生はそう言った。
「あ、はい…」
田城先輩は少し間をおいてそう答えると
持っていた箒をしまって
カバンを持った。
「じゃあ、葵ちゃん、
おつかれさん」
「お疲れさま…でした…」
戸惑いがちにそう答えると
先輩は先生に会釈して帰って行った。