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意地悪な指先
第1章 先生
動けずに
立ち尽くすあおいと
あおいの手を見て黙り込む先生。
長い沈黙…
先に口を開いたのは
ひろと先生だった。
「あのね、なにやってんの?」
呆れたような
もうどうにでもなれとでも
いいたそうな
なげやりな顔で先生は準備室に足を踏み入れた。
「ご、ごめん、なさい」
ぎゅっと目をつぶって
泣きそうになりながら
固まるあおいをみて
ひろと先生はため息をひとつついた。
「これは立派なプライバシーの侵害。
まぁ、職場にこんなもん持ち込むなって話だよな。
ここ一人出し、完全に油断してたわ。
…………
俺も男なの。」
独り言のようにペラペラ喋ると
少しだまってからあおいの頭を
ポンポンとする。
「許すから
誰にも言うなよ?」
コクリ、と頷くと
先生はそのまま
机にまた鍵をかけた。
「先生は、彼女いるの?」
恐る恐る尋ねる。
「それ聞いてどうすんの?
まぁ、いないけどな。」
そういうと
さっさと帰る!
とでも言いたそうに手をふる。
こんなチャンス二度とない。
そう思ったあおいは
意を決して行動にでた。
今までの経験は二人。
そんなにテクニックに自信があるわけではなかったが
憧れの先生にすこしでも相手をしてもらいたくてあおいは必死だった。
すっとひろと先生の手を引くと
ふにっ…と自分の胸に押し当てる。
「…!?」
飲んでいたコーヒーを
吹き出すひろと先生。