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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第3章 スピード違反の女
国道を一台の黄色いスポーツカーが疾走している
かなりのスピードだ。
豊田礼二は側道からの合流地点で
取り締まりの網を張っていた。
獲物を見つけたとばかりに
白バイを加速させて側道から国道に合流し
黄色いスポーツカーの
死角となる右後方からランデブーし、
レーダーで捕捉した。
『はい、本日の獲物、一丁あがりぃ~』
満を持してサイレンを鳴らした。
「前の黄色いスポーツカー!
左に寄って停止しなさい!」
いつものことながら、
この瞬間が最もゾクゾクする。
スポーツカーは観念したのか
おとなしく減速して左の路肩に停車した。
豊田礼二は白バイを降りて
ゆっくりと運転席側に近づいて
その窓をコンコンと優しくノックした。
少しだけ窓が開く。
「ずいぶんお急ぎのようですね~
かなりのスピードが出ていましたよ」
免許証を拝見できますか?
そのように運転手に告げると
車の窓が全開になって
サングラスを掛けた若い女性が
「見逃してよぉ」と
胸を大きく開いて見事な谷間を礼二に見せる。
役得だと思いながら
しばし、その谷間を堪能させてもらい
「お色気は通用しませんよ~
さあ、免許証をだして!」と
やや口調を厳しめにして催促した。