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海鳴り
第10章 高波
ドアを閉めて靴を脱ぎ散らしバッグを手放した時、肩がガクガクと震えだし胸が詰まるような苦しさに襲われた。
明かりも点けずに部屋でペタンと座り込みベッドに頬を乗せると、声にならない呻きが喉の奥で繰り返される。
叫びたい
両手で胸を押さえ必死に声を出した。
「…ウッウッウッ…っかずおさん…ウクッ、…かずお、さん…、和男さん…和男さん和男さん…、うぅっ…ぃや、いやっ…ンぐっ……いゃッ……」
涙が溢れる。
「傍にいてよ…ウグッ…ウッウッウ…」
恋が終わった時ってこんなに辛かったっけ…
こんなに苦しかったっけ…
とめどなく溢れる涙と鼻水で顔を濡らし、目も鼻も真っ赤にしながら律子は泣き続けた。
手洗いに行っては泣き、相沢が修理した床を撫で、インターホンを眺め、スニーカーを抱き締めて泣いた。
どれだけ泣いても涙は渇れない。
泣き疲れてぼんやり貝殻を見つめると、興和丸で帰還した相沢の姿を思い出してまた嗚咽する。
和男さん…
明かりも点けずに部屋でペタンと座り込みベッドに頬を乗せると、声にならない呻きが喉の奥で繰り返される。
叫びたい
両手で胸を押さえ必死に声を出した。
「…ウッウッウッ…っかずおさん…ウクッ、…かずお、さん…、和男さん…和男さん和男さん…、うぅっ…ぃや、いやっ…ンぐっ……いゃッ……」
涙が溢れる。
「傍にいてよ…ウグッ…ウッウッウ…」
恋が終わった時ってこんなに辛かったっけ…
こんなに苦しかったっけ…
とめどなく溢れる涙と鼻水で顔を濡らし、目も鼻も真っ赤にしながら律子は泣き続けた。
手洗いに行っては泣き、相沢が修理した床を撫で、インターホンを眺め、スニーカーを抱き締めて泣いた。
どれだけ泣いても涙は渇れない。
泣き疲れてぼんやり貝殻を見つめると、興和丸で帰還した相沢の姿を思い出してまた嗚咽する。
和男さん…