この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海鳴り
第1章 訪問者
いつもの金曜日だった。


「先生さようならー」

「さようなら、気を付けて帰るのよ」


真新しいランドセルを上下に揺らし、校門を出て歩道を駈けていく子ども達に笑顔で手を振る。


「先生ばいばーい」

「結衣ちゃんさようなら、あ、ほら上履き落っことしたわよ」

「はい、結衣ちゃんこれ」


にぎやかな声が響く。


「わぁ、なっちゃんありがとう」

「あら、なっちゃん優しいのね」

「えへへッ、矢野先生さようなら」

「さようなら、走って転ばないでね。
…あ、ほら健太君、ランドセルのフタが開いてるわよー」

「いいんだよー、アハハ、おい卓也、行こう。先生また来週ー」


ランドセルが歩いているような子ども達の後ろ姿が小さくなっていく。


「1年生はかわいいですね」


校長の声に振り返る。


「はい、元気のカタマリです。私も負けられません」


律子は頷く校長に笑顔で答えた。


「少し風が出てきましたね」


街路樹のハナミズキが枝を揺らしている。


「えぇ、今夜は春の嵐になりそうです」


「今日はご主人の所へ?」

「あ、はい。 娘と一緒に…」

「そうですか」


二人は職員室へと足を進めながら小声で話しを続けた。




/221ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ