この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海鳴り
第5章 うねり
ピンポーン……


ドアのチャイムが鳴り、誰が来たのかはもうわかっていたが、律子はインターホンの受話器を取った。


「はい」

「律子先生、 おはよー!」

「おはよう武くん、ちょっと待ってね」

「うんっ」


バッグを手に取りパンプスを履き、笑顔を作って そっとドアを開ける。


「おはよう」

「先生おはよー」

「おはようございまーす」


武と翼が満面の笑みで律子を待っていた。


「今日は二人なの?」

「うんっ…ね、翼くんっ」

「うんっ、みんな先に行っちゃったね、あはは…」


武に目配せをしながら愉快そうに笑う翼は、武と同じ丸刈りで背が少し高い。
やんちゃな二人はとても仲が良かった。

9月も半ばを過ぎ、律子はようやく新しい生活に慣れ始め忙しく駆けずり回っていた。

今朝も登校途中の子供達の声があちこちから聞こえてくる。

律子はいつものようにドアの前で思い切り息を吸い込んだ。

澄みきった高い空を、トンビが羽を広げ風に乗って緩やかに弧を描く。

海の匂いを胸いっぱいに吸い込んでゆっくりと息を吐き出すと、それを毎朝見ている明るい笑顔の二人と目が合った。




/221ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ