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地獄視
第3章 死神の掟
おまえを本当に助けてくれるのは誰だ?
俺じゃない。
おまえを大切にしてくれるのは彼氏だ。
…だって。彼といてもしっくり来ないし
一緒にいても会話はないし、彼も楽しんでるように思えない。
おまえ…何にも分かっちゃいないな。
本当に一緒にいるべき相手とはそういうものだ。
空気のような存在だよ。
2人の間に流れている空気は異質。
誰にも踏み込むないものがある。
おまえはまだ分かっていない。
大切にするべきは医師の彼氏だ。
おまえを陰で支えている。
もっと相手を理解してあげないといけない。
おまえは相手に本音で向き合ってぶつかり合った事はあるのか?
桐生にそう言われ言い返せなかった。
図星だった。
私は彼を飾りかブランド品か何かと勘違いしていたのかもしれない。
彼はそのことに初めから気づいていたが、何も言わないで私にずっと付き合ってくれていたんだろう。
私なんかよりもずっと先にいる。
ずっと上を見据えている大人の男で私はまだ考え方が子供だったわけだ。
彼氏さんに感謝するんだな。
おまえなんかよりずっと大人の考えの持ち主だ。 
いいか、よく聞けよ。
ずっとずっと昔から繋がりのある人間とはどんなことがあっても必ず巡り会う。そして出会ってしまうようになっている。
おまえはとても幸せものだ。
そして運命の人ほど、一緒にいて会話がなくてもその場が和むんだよ。
いるのがあたりまえ…いないと不安を感じてしまう。
そしてまた会いたくなる。
連絡がつかないと不安になってしまう。
魂の伴侶。ソウルメイト以上の存在。
ツインレイというらしい。
慶子は桐生の話しを聞きながら両手を顔に当てて泣き出した。
そんな悲しい顔するなよ。
おまえ言ってたじゃないか。
笑顔。笑顔だって。
いつも笑顔だと幸せが訪れるんじゃなかったか?
ははッ…そうだったわね。
そんなこと言ったっけな。
笑わせないでよね。
この宇宙には幾年幾千の年月と生命が存在している。
人間の100年足らずの歴史の中で巡り会える人なんて
ほんのひと握りだ。
俺たちが出会えたのも奇跡に近いが付き合って結婚できる確率なんて
もっと低い。
彼氏との縁を大切にありがたく思うんだな。
そうね…あなたの言うとおりだわ。
だから私は私が思うように生きたい。
気づかせてくれてありがとう。
今までどうやってこの先生きて行こうか悩み迷っていたけど。
決心がついた。
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