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桜 ~あなたに見られたくて~
第12章 ヌードモデル
ハプニングバーというものに興味があった
私ですが、一度経験してしまうと
あ~、あんなものかと私はどうでもよくなりました
でも、付き合っている近江は
ハプニングバーにのめり込んでしまったようで
事あるごとに私を
ハプニングバーに連れていこうとします。
「そんなに気に入ったのなら
一人で行けばいいじゃない」
「一人で行ってもつまらないよ
君が他人に寝取られるのを
見るのが面白いんじゃないか」
『面白い?』
私はあなたのおもちゃじゃないのよ!
惚れるとか、好きとかよりも
この男とは長続きしないわねと
私は彼と距離を置くことにしました。
今までは疎かにしていた本業のOLの仕事を
けっこう真面目にやって
近江からのデートの誘いを断る口実にしました。
そんな、ある日の事。
隣の席でいつも仲良くさせていただいている
祥子さんが折り入って頼みがあると言ってきました
「頼みって…何?」
「う~ん…会社じゃ話しづらいから…
夕方にでも食事しながらでもどうかしら?」
「別にいいけど…
当然、あなたの奢りよね?」
「奢る、奢る!
フレンチでもイタリアンでも何でもいいわよ」
何でもいいわよと言っておきながら
私に選択させずに
彼女は勝手に
会社の近所の焼き肉店に私を誘いました。
「で、頼みって何なのよ」
ジューっという音と共に
もうもうと煙が舞う中で
私は用件を急かしました。