この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
インセスト・タブー
第2章 縺れていく血の糸
あたしがどこかの家に仕えようとしないのには、自分の姿の他にも理由があった。
見慣れた扉を前に、ため息をつく。邸の玄関だ。中へ入ると、見知らぬ女性ものの帽子があった。
…またか。
奥へ進み、部屋を覗き込む。テーブルを挟み、ティーカップを手に談笑する二人の女性が見えた。
「…エリザーベト」
あたしがそう呼ぶと、二人がこちらを見た。
「ああ、エオレ。こちら、アスゴット夫人よ」
エリザーベトが向かいに座る女性を示す。アスゴット夫人は優雅に会釈し、あたしも会釈を返した。
と、夫人がカップを置き、立ち上がる。
「では、わたくしはそろそろ失礼しますわね」
「あら、もう?残念ね」
エリザーベトもカップを置いた。と、今日は楽しかったですわ、と夫人はエリザーベトに意味深に微笑む。
「またお茶しましょうね」
エリザーベトも笑みを返すと、夫人は背を向け、連れてきていたらしい使用人の女性と共に帰っていった。
見慣れた扉を前に、ため息をつく。邸の玄関だ。中へ入ると、見知らぬ女性ものの帽子があった。
…またか。
奥へ進み、部屋を覗き込む。テーブルを挟み、ティーカップを手に談笑する二人の女性が見えた。
「…エリザーベト」
あたしがそう呼ぶと、二人がこちらを見た。
「ああ、エオレ。こちら、アスゴット夫人よ」
エリザーベトが向かいに座る女性を示す。アスゴット夫人は優雅に会釈し、あたしも会釈を返した。
と、夫人がカップを置き、立ち上がる。
「では、わたくしはそろそろ失礼しますわね」
「あら、もう?残念ね」
エリザーベトもカップを置いた。と、今日は楽しかったですわ、と夫人はエリザーベトに意味深に微笑む。
「またお茶しましょうね」
エリザーベトも笑みを返すと、夫人は背を向け、連れてきていたらしい使用人の女性と共に帰っていった。