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インセスト・タブー
第4章 歪みは波紋のように広がり
邸に戻ると、ソファーで休むエリザーベトの姿を見つけた。近くのローテーブルには、ティーカップが二つ、片づけられないまま置いてあった。
「あら、エオレ」
あたしの気配に気づき、エリザーベトが目を開ける。眠ってはいなかったようだ。
「…また誰か来てたの?」
「ええ。先日あなたに紹介した女性よ」
エリザーベトはにっこりと言った。
「ふうん」
ただそれだけ言い、あたしは行こうとする。と、エリザーベトがゆっくりと腰を上げた。
「エオレ」
あたしに近づき、正面に立つ。無表情のあたしの目をじっと見つめながら、さらに一歩踏み出して顔を寄せた。
あたしは避けるように、その熱い視線から逃れるように顔を横へ反らす。その先には父の肖像画があった。
エリザーベトは、ふ、と笑うと、そのまま、さっきまであたしの唇があったところに――唇のすぐ横に口づけた。
「愛してるわ、エオレ。地獄のような日々から救い出してくれたあの人と同じくらい。あなたを心から愛してる」
エリザーベトは恍惚とした表情で言い、あたしを抱き締めた。
「あら、エオレ」
あたしの気配に気づき、エリザーベトが目を開ける。眠ってはいなかったようだ。
「…また誰か来てたの?」
「ええ。先日あなたに紹介した女性よ」
エリザーベトはにっこりと言った。
「ふうん」
ただそれだけ言い、あたしは行こうとする。と、エリザーベトがゆっくりと腰を上げた。
「エオレ」
あたしに近づき、正面に立つ。無表情のあたしの目をじっと見つめながら、さらに一歩踏み出して顔を寄せた。
あたしは避けるように、その熱い視線から逃れるように顔を横へ反らす。その先には父の肖像画があった。
エリザーベトは、ふ、と笑うと、そのまま、さっきまであたしの唇があったところに――唇のすぐ横に口づけた。
「愛してるわ、エオレ。地獄のような日々から救い出してくれたあの人と同じくらい。あなたを心から愛してる」
エリザーベトは恍惚とした表情で言い、あたしを抱き締めた。