この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
インセスト・タブー
第4章 歪みは波紋のように広がり
あたしは無言のまま引き離す。何もなかったかのようにエリザーベトを避け、背にした。

「ねえ、その格好、いつまでするの?」
後ろから投げ掛けられたその言葉を、あたしは聞き流す。

「…私は別にいいけれど。“どちらでも”」

あたしは一瞬歩みを止めるが、何も言い返さず、すぐにまた奥へ向かった。





「…そうか。それでさっきのお前の剣、かなり荒れてたのか」
カレルが横で、自分の膝に肘をつきながら呟いた。

カレルの実家にきていた。カレルは騎士見習いの身だが、こうしてたまに帰ってくると、あたしと剣の打ち合いをしたり、部屋で一緒にくつろいでいる。

「おまえの家が元に戻るには…どうすればいいんだろうな」
考えるカレルに、無理よ、とあたしは言った。

「…あたしは彼女に対して、嫌悪感しかない」
眉ひとつ動かさず、あたしは言う。あたしたちは、もう“正常”に戻れないほど“異常”なのだ。

「まあ、無理もないか…」
ベッドの縁に座るカレルが、頭の後ろで手を組み、ごろんと寝転んだ。

あたしもその隣に横たわる。仰向けになり、薄汚れた天井を隠すように、自らの腕で目を覆った。
/76ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ