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インセスト・タブー
第6章 苦しみから逃れるには勇気を以て立ち向かえ
あれから数ヶ月。今日もオパリンスキ邸へ行ったが、少女の姿を見かけることはなかった。ゴーシュも少女も、ここのところずっと見ていない。殿下のお計らいだろうか。
殿下には、騎士見習いの修行もせずぷらぷらしていたあたしを拾ってくださったことも含めて、感謝ばかりだ。
久しぶりに町を歩いていた。強い陽射しが容赦なく降り注ぐ中、日傘を差した優雅な貴婦人や、こんな気温でも帽子にモーニングと正装に身を包んだ紳士、近辺で生活する老若男女が行き交う。
宿の直近の道で話し込む男女が何故かやけに気になったが、視線を前に戻し、人の間を縫ってゆるやかな坂を下っていく。レンガの敷かれた大通りを抜け、同じくレンガ造りの広場を通る。中央の噴水が涼しげだ。
と、なんとなく目をやった先に、偶然にも例の少女がいた。少女はちょうど花屋から出てきたところのようで、中に店員がいるのか、店内に向かって話していた。やがて入り口に置かれた大きな袋を重たそうに持ち上げ、抱え込んだ。
殿下には、騎士見習いの修行もせずぷらぷらしていたあたしを拾ってくださったことも含めて、感謝ばかりだ。
久しぶりに町を歩いていた。強い陽射しが容赦なく降り注ぐ中、日傘を差した優雅な貴婦人や、こんな気温でも帽子にモーニングと正装に身を包んだ紳士、近辺で生活する老若男女が行き交う。
宿の直近の道で話し込む男女が何故かやけに気になったが、視線を前に戻し、人の間を縫ってゆるやかな坂を下っていく。レンガの敷かれた大通りを抜け、同じくレンガ造りの広場を通る。中央の噴水が涼しげだ。
と、なんとなく目をやった先に、偶然にも例の少女がいた。少女はちょうど花屋から出てきたところのようで、中に店員がいるのか、店内に向かって話していた。やがて入り口に置かれた大きな袋を重たそうに持ち上げ、抱え込んだ。