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インセスト・タブー
第6章 苦しみから逃れるには勇気を以て立ち向かえ
…最近顔を合わせずに済んでいると思っていたのに、こんなところで会うとは。
よたよたと一歩踏み出した少女に、声をかける者がいた。同じく女性、年齢も少女と同じか少し年上くらいで、服装からして少女と同じ使用人のようだった。鼻から頬にかけてのそばかすと、赤っぽい髪が、この辺りでは珍しく、印象的だった。
そばかす少女は、例の少女と話しながらも、ちらちらと誰かに目配せをしていた。上の方だ。
そして、あたしは気づいてしまった。
花屋の二階の窓から、少女がもう一人顔を出していた。あたしの足は自然とそちらへ向いていた。二階の少女は、にやにやと意地悪く笑み、周りに気づかれないようにバケツをそっと窓から出す。
バケツが傾けられた瞬間、あたしは弾けるように駆け出す。脇から少女へと飛びかかった。
…バシャリ。
あたしの陰の中で目を丸くする、倒れた少女。袋が手から滑り落ち、中に入っていた土が飛び出していた。話しかけていた、恐らく首謀者の一人だろう少女は、何が起こったのかわからず、口をパクパクさせる。
「ベタね…」
あたしの髪から水が滴り落ち、少女の頬を伝っていった。
よたよたと一歩踏み出した少女に、声をかける者がいた。同じく女性、年齢も少女と同じか少し年上くらいで、服装からして少女と同じ使用人のようだった。鼻から頬にかけてのそばかすと、赤っぽい髪が、この辺りでは珍しく、印象的だった。
そばかす少女は、例の少女と話しながらも、ちらちらと誰かに目配せをしていた。上の方だ。
そして、あたしは気づいてしまった。
花屋の二階の窓から、少女がもう一人顔を出していた。あたしの足は自然とそちらへ向いていた。二階の少女は、にやにやと意地悪く笑み、周りに気づかれないようにバケツをそっと窓から出す。
バケツが傾けられた瞬間、あたしは弾けるように駆け出す。脇から少女へと飛びかかった。
…バシャリ。
あたしの陰の中で目を丸くする、倒れた少女。袋が手から滑り落ち、中に入っていた土が飛び出していた。話しかけていた、恐らく首謀者の一人だろう少女は、何が起こったのかわからず、口をパクパクさせる。
「ベタね…」
あたしの髪から水が滴り落ち、少女の頬を伝っていった。