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インセスト・タブー
第7章 錯綜する想いは
二年ほど経った。あたしは、少女の住まう酒場にたまに姿を現すようになっていた。邸にはほとんど帰っていない。
「やっぱりさ、女性が真に魅力的になるのは…40歳くらいからだよな」
ジョッキの底にわずかに残ったビールを煽り、カレルがぼんやりと言った。
「本当に美しい人は、年を重ねるほど、より魅力的になっていく。滑らかな肌に刻まれていくしわが、むしろ美しさを引き出すんだ」
カレルは、壮年の女性に想いを寄せていた。女性は未亡人で、時折教会を訪れるのだそうだ。
「デートにでもお誘いしたら?」
サラリと言う。あたしたちは、もうそういう関係ではなくなっていた。
「…そんな甲斐性があれば苦労しないって」
カレルが唸る。未だ見習いの身であることを嘆いていた。とは言っても、カレルの年齢ではむしろそれが一般的だった。
音楽が奏でられる。客が口笛を吹き、歌う。あたしはグラスを置き、立ち上がった。メロディーに合わせ、舞う。
二年前よりは少々筋肉がついたが、それでも女性と見紛う中性的な顔つき、体つきを残していた。美しい舞いに、店じゅうが盛り上がる。
「エオレ…」
その様子を、カレルは悲しげに見ていた。
「俺が騎士になったら、絶対お前を騎士にするから」
曲が終わり、戻ってきたあたしに、カレルは言った。
「やっぱりさ、女性が真に魅力的になるのは…40歳くらいからだよな」
ジョッキの底にわずかに残ったビールを煽り、カレルがぼんやりと言った。
「本当に美しい人は、年を重ねるほど、より魅力的になっていく。滑らかな肌に刻まれていくしわが、むしろ美しさを引き出すんだ」
カレルは、壮年の女性に想いを寄せていた。女性は未亡人で、時折教会を訪れるのだそうだ。
「デートにでもお誘いしたら?」
サラリと言う。あたしたちは、もうそういう関係ではなくなっていた。
「…そんな甲斐性があれば苦労しないって」
カレルが唸る。未だ見習いの身であることを嘆いていた。とは言っても、カレルの年齢ではむしろそれが一般的だった。
音楽が奏でられる。客が口笛を吹き、歌う。あたしはグラスを置き、立ち上がった。メロディーに合わせ、舞う。
二年前よりは少々筋肉がついたが、それでも女性と見紛う中性的な顔つき、体つきを残していた。美しい舞いに、店じゅうが盛り上がる。
「エオレ…」
その様子を、カレルは悲しげに見ていた。
「俺が騎士になったら、絶対お前を騎士にするから」
曲が終わり、戻ってきたあたしに、カレルは言った。