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インセスト・タブー
第2章 縺れていく血の糸
それからさらに数年が経ち――幼かったあの碧眼の少年も声変わりの時期を迎えようかという頃。王宮近くの某所で、男女二人が剣を交わらせていた。

「お前も騎士になればいいのに」
茶髪の青年が剣を打ち返しながら言った。言われた相手は、ただ黙って笑む。

「お前は賢く、剣や銃の才能もある。特にその聡明さは、さるお方の目にも留まるほどだそうじゃないか」
ニカッと、少し冷やかしを含んだ笑みをよこす。

「誉めすぎよ」
そう言った声は、声変わり後のものだった。少女だと思っていたその人は、よく見ると青年だったのだ。

相手の青年に比べると身体の線が細く、女性のような整った顔に、透き通るような白い肌。一つにまとめられた少し癖のある金髪は、肩よりわずかに長い程度ある。女性ものの簡単なドレスを着ていても違和感はなく、むしろ似合っていた。

「いやいや、これでも足りないくらいだ!」
興奮して声を張り上げた時、茶髪の青年の剣が弾かれ、手から離れて地面に落ちた。

あ、と苦笑まじりの顔をすると、青年は剣を拾い上げる。金髪の少女――青年は、静かに剣を納めた。
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