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混沌の館
第10章 美咲の夫
代理人?何を言っているんだ。それに、美咲は無事なのか?私の膝がガクガクと震えだした。向こうは私の携帯電話番号を知っている。いざとなれば私の住所を突き止める事もできるだろう。
「分かりました。美咲さんは、無事なのですか?」
「命に別状はありませんが、自宅で手首を切ったんです。それで救急病院に連れてきました」
「あなたが来るまで待っていますから」
「分かりました。1時間ほどで伺います」
そう言って電話を切り、身支度を始めたが、手の震えは止まらなかった。
美咲が無事だったという事だけは救いだったが、私がこれから向かう先が地獄の一丁目だという事に変わりはなかった。
馬鹿な事をしてしまった。私は、病院への道筋、激しい後悔の念に囚われていた。
病院は救急病院と言う事だったが、表の玄関から通常通り入る事が出来た。
待合室は広く、その一角に子供連れの家族がひしめいていた。小さな子供の鳴き声が阿鼻叫喚の様相を呈していた。
まさにここは、私にとって地獄だ。
「分かりました。美咲さんは、無事なのですか?」
「命に別状はありませんが、自宅で手首を切ったんです。それで救急病院に連れてきました」
「あなたが来るまで待っていますから」
「分かりました。1時間ほどで伺います」
そう言って電話を切り、身支度を始めたが、手の震えは止まらなかった。
美咲が無事だったという事だけは救いだったが、私がこれから向かう先が地獄の一丁目だという事に変わりはなかった。
馬鹿な事をしてしまった。私は、病院への道筋、激しい後悔の念に囚われていた。
病院は救急病院と言う事だったが、表の玄関から通常通り入る事が出来た。
待合室は広く、その一角に子供連れの家族がひしめいていた。小さな子供の鳴き声が阿鼻叫喚の様相を呈していた。
まさにここは、私にとって地獄だ。