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混沌の館
第15章 千夏
 私と千夏は、お互いに気持ちを確かめあう事が出来たが、すんなりと事が運んだ訳ではない。

 私は先ず、キャサリンとの関係を清算しなければならなかった。

 しかし、単純に『別れよう』の一言で済まされないのが男女の仲だ。美咲の時は自殺未遂の騒動に発展した。

 しかも、私の異変に気付いたキャサリンは想定外の行動にでた。


 千夏へ、私に宛てたメールをわざと誤送信したり、私の愚痴を並べたメールを友達に送るふりをして、そのメールを私に誤送信したりと、陰湿な嫌がらせをするようになった。


 さらには、サイトの日記で私たちを非難する内容を書いたり、なりふり構わなかった。



 千夏と気持ちを確かめ合ってから2週間が過ぎていた。私には一刻の猶予もなかった。




 そして・・・




キャサリンへ、もう薄々感づいていると思うけど・・・

他に好きな人が出来ました。

だから、あなたとはこれ以上付き合えません。


ごめんなさい。


メールだけで済ませるなんて、卑怯だとは思ったのですが、もう会わない方が良いと思いました。


お元気で。




 メールを書き終えると、送信ボタンを押した。


(こんなに簡単に別れを告げられるんだ・・・)




 少しだけ胸が痛んだ。





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