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混沌の館
第15章 千夏
約束の日、私は東京駅のホームにいた。
日本の表と裏、恐らく千夏とは現実に顔を合わせることはないだろうと思っていた。だが、今こうして私は彼女の到着を待っている。
結局、私は一番不味い三番目の選択をした。キャサリンに別れを告げ、千夏とのヴァーチャルな恋を選んだのだ。
千夏からもう連絡はしないというメールを受けた時、私は自分の気持ちの大きさに気付いた。
やはり、私は千夏に恋をしている。それは、はるか遠くに置いてきぼりにしてしまった、大切な感情。純粋に人を好きになる、素直な感情だった。
『僕は、ちなちゃんに恋をしたんです』
私は、千夏から別れを告げられた時、素直な自分の気持ちを伝えた。
不倫をしているうえに、更に別の女性に好意を伝える。きっと私はふられるだろう。キャサリンも千夏も失うだろう。でもそれでも良かった。自分の気持ちに素直になりたかった。
『わたしも、狸さんのことが好きです』
千夏からの返事は意外なものだった。彼女もまた、以前から私に好意を抱いていたのだというのだ。
お互いの気持ちが『イコール』だと分かった時、私はこれ以上ない幸せを感じた。この満たされるという感覚は、今までサイトで知り合ってきた女性からは得る事が出来なかった。
そこが、千夏はそれまでの女性とは違っていたのだ。
日本の表と裏、恐らく千夏とは現実に顔を合わせることはないだろうと思っていた。だが、今こうして私は彼女の到着を待っている。
結局、私は一番不味い三番目の選択をした。キャサリンに別れを告げ、千夏とのヴァーチャルな恋を選んだのだ。
千夏からもう連絡はしないというメールを受けた時、私は自分の気持ちの大きさに気付いた。
やはり、私は千夏に恋をしている。それは、はるか遠くに置いてきぼりにしてしまった、大切な感情。純粋に人を好きになる、素直な感情だった。
『僕は、ちなちゃんに恋をしたんです』
私は、千夏から別れを告げられた時、素直な自分の気持ちを伝えた。
不倫をしているうえに、更に別の女性に好意を伝える。きっと私はふられるだろう。キャサリンも千夏も失うだろう。でもそれでも良かった。自分の気持ちに素直になりたかった。
『わたしも、狸さんのことが好きです』
千夏からの返事は意外なものだった。彼女もまた、以前から私に好意を抱いていたのだというのだ。
お互いの気持ちが『イコール』だと分かった時、私はこれ以上ない幸せを感じた。この満たされるという感覚は、今までサイトで知り合ってきた女性からは得る事が出来なかった。
そこが、千夏はそれまでの女性とは違っていたのだ。