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混沌の館
第2章 黒いミニスカートの少女
 カーオーディオからは、お気に入りのアヴリル・ラヴィーンの曲が流れていた。


 気まずい空気を払うかの様に夏希が口を開いた。



「アヴリルが好きなんですか?」

 遠慮がちに夏希が質問してきた。


「そうだね、彼女の歌は、若い人から僕位の年代まで聴きやすいよね」

「アヴリル良いですよね~」



 夏希は眩しい笑顔で答えてくれた。



「ところで、夏希ちゃんは、幾つなの?」

 私は、彼女に対して探りを入れてみた。一応、プロフでは18歳以上と言う事になっている。





 確かに、若い。


 だが、万が一、高校生だったら厄介だ。そこを確認する必要があった。


「18です」


「こ、高校生じゃないよね?」

 私は、冗談混じりに核心をついた。

「3月までは高校生でした、ちゃんと卒業してますよ」


 私の心配を察したのか、高校生でない事を強調した。


「今は、大学生なの?」


「美容関係の専門学校に通っています」

「へ~、美容師さんの卵ってところ?」

「住まいは、この近辺なの?」


 あまり質問攻めにするのは野暮かなと思ったが、こんな若い娘と普段お喋りをする事なんてない、何を話して良いか分からなかった。




「実家は、ここから少し離れたところです、今日は友達と夕方から約束があって・・・それまでにお小遣いが稼げたらな、と思ったんです」


「一昨日から募集かけてたのに、なかなか決まらなかったんだね、君くらい可愛いければ、直ぐに決まりそうだけど」


 実際、疑問に思っていたことを投げかけてみた。





「んん~、条件が合わなかったり、写メが気に入らなかったりで、なかなか良い人が見つからなくって」


「なるほど、僕は許せるレべルだったてことだ(笑)」



「あはは、そう、てか、素敵な人だと思いました」


「そう言われると、安心するよ」




 そんな会話を続けているうちに、目的のホテルの入り口に差し掛かっていた。



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