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混沌の館
第7章 久美の秘密
帰りの車中は、不穏な空気に満ちており、その中で私たちの今後の事に話しが及んだ。
久美は、もう私とは別れたいと言い出した。私にも異論はない。そう話は纏まった。
楽しい思い出を作るはずだった旅行。それがこんな沈んだ気持の帰り道になるとは、久美のアパートが近づくにつれ、悲しみが実感となって私を襲った。
通い慣れた道、アパートの前に車を止め、そこで久美を下した。
「さようなら」
絞り出すように、それだけ言うのがやっとだった。
「今までありがとう」
そう言って久美はアパートの方へ歩いて行った。
私は車をゆっくりと走らせた。大通りへ出る手前、一旦停止しバックミラーで久美が見えないか確認したが、映っているのは無人の道路だけだった。
左右を確認し、大通りへ出ると自分の寮へと車を向けた。
久美と一緒に聞いた音楽が流れる。
(あっけない終わり方だったな・・・)
情けないことに、涙が溢れ出した。
久美は、もう私とは別れたいと言い出した。私にも異論はない。そう話は纏まった。
楽しい思い出を作るはずだった旅行。それがこんな沈んだ気持の帰り道になるとは、久美のアパートが近づくにつれ、悲しみが実感となって私を襲った。
通い慣れた道、アパートの前に車を止め、そこで久美を下した。
「さようなら」
絞り出すように、それだけ言うのがやっとだった。
「今までありがとう」
そう言って久美はアパートの方へ歩いて行った。
私は車をゆっくりと走らせた。大通りへ出る手前、一旦停止しバックミラーで久美が見えないか確認したが、映っているのは無人の道路だけだった。
左右を確認し、大通りへ出ると自分の寮へと車を向けた。
久美と一緒に聞いた音楽が流れる。
(あっけない終わり方だったな・・・)
情けないことに、涙が溢れ出した。