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臭い手笛で出発進行
第1章 ほの臭い恋の始まり。

ピィィィィリリッ!ピッ!!

ー次の朝、学校に向かう僕の眠気を吹き飛ばしたのはもちろんあの女性車掌さんが吹くホイッスルの音だった。唇だけでなく、ほっぺも少しふっくらとした彼女の顔は、むちむち感のある女の子が好きな僕の好みだ。

車掌からしばらく外の安全を監視する女性車掌さんの胸元を見やると、乳房の膨らみの真下あたりに黒いホイッスルがいつも通りぶら下がっていた。歯型が少しずつ刻まれた傷があるが、何より目立つのは黒い表面に点々と粘りつく白い粒。そして、咥えた面積の分だけ吹き口が濡れている。明らかな唇の皮の跡、そして唾の跡だ。

臭そう。めっちゃ臭そう。嗅ぎたい。通学でこの鉄道を利用するようになってからいつも思っていた。平日はずっとこの女性車掌さんが乗っているからチャンスはある。でもそんな事、言い出せるわけがなかった。

そんな僕にも言葉を交わせるチャンスが毎日一回だけあった。
「おはようございます!きっぷを拝見しますね」
車掌室と車内を仕切るドアを開けて、女性車掌さんが声をかけてきた。いつもの検札だ。定期を見せればいいだけなのだが、目の前でぶらぶら動いている臭そうなホイッスルについ目が行ってしまう。
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