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想い人
第2章 私の想い人
灯りが点いてない。
(まだ…帰ってない……)

このまま朝まで帰らない。
そんな気がした。


「ふぇっ……っく…」

ずっと押し留めていた不安が確信に変わり、涙が溢れ出す。


透也は蕾さんが好き。

蕾さんが透也を好きなら2人は両想い。

本当に好きなら、その幸せを祈ってあげなきゃいけない。

でもっ……‼︎


「あれぇ? 泣いてんの?」

「かぁわいそっ」

突然後ろから声が掛けられる。

(チャラいっ‼︎ )
見るからに軽そうな男の人が2人。

「俺らが慰めてやるよ?」

ニヤニヤと笑いながら、肩を抱き寄せられた。

「結構です!」

慌てて距離を取る。

「なんだよー。すげー身体冷えてんじゃん?」

「暖めてやるよ?」

グッと引き寄せられる。

そのまま引き摺られるように歩かされ始めた。


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