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想い人
第2章 私の想い人
透也の右手が私の後頭部を支えれば、スルリと透也の熱い舌が口の中に入り込んでくる。

「んっ……」
思わず声が漏れる。

コーヒーの飲めない私だけど、あの香りは好き。

絡められる透也の舌から伝わるコーヒーの香りに、何だかコーヒーの飲める大人になったみたいな気分になる。

うっとりと透也に身を任せていれば、不意に透也の唇が離れた。


「はぁっ…」
透也の口から漏れた甘いため息。
私の下腹部がキュッとなる。

「……止まんなくなる前にベッド行こ?」
ねだるような透也の視線は、私の胸をキュッと締め付ける。

コクッと頷けば、透也が私の手を引き寝室へと連れて行ってくれる。


何度も身体を重ねたけど、今でもすごく緊張する。

ライバルの存在が常にあるからかな?

こうしたら蕾さんに勝てる?
こんな事、蕾さんはしない?

冷静になるとそんな事ばかり考えちゃう。


だから早く透也の熱に溶かされたい。

何も考えられなくなるくらい……私の心も身体も熱くして欲しい。


前を歩く透也の背中を涙目で見つめる。
そして、繋がれた手にギュッと力を込めた。

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