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想い人
第4章 俺の想い人
「蕾さんの頼まれごとって結婚の事? 」

頼まれごと?
あぁ…この前美空にはそう伝えたんだった。

「しかも引き受けたって言ってたよね?」

「─────っ違う!」

本当に違う。完全な誤解だ。
この前キチンと説明すればよかった。


「わかった……別れよ?」

俺の胸に突きつけるように招待状を返す美空。

「は? ちょっ……美空⁈ 」

わかったって?
別れる?
─────何で⁉︎


「待てって! これは…っ…違うんだよ。俺にも何が何だか……」

絶対的に不利だ。
何を言ったって言い訳にしか聞こえなくなる。
焦れば焦るほどに言葉が出てこない。


「聞きたくない! 聞かなくても全部知ってる!」

「は?」

知ってる?
なら、何で別れるなんて言うんだよ⁈


「……透也が私を好きじゃない事も、適当に付き合って振るつもりだったのも!」

「何だよ、それ⁉︎ 」

はぁ?
何でそうなる?

「ちょっ…美空、落ち着け」

このままじゃ話が拗れるだけだ。

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