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ホモ痴漢に触られながらカルト映画を観る
第2章 絶賛痴漢中!
 とにかく貴重な映画を観ることを優先し、左のおじさんの手の動きは無視することにした。
 おじさんの手はズボンの上からぼくの股間をまさぐり、肛門あたりを中指で撫でたりしている。
 主人公が恋人とドライブするシーンで、今度は右の革ジャンおじさんの手もおかしな動きを始めた。
 ぼくの開襟シャツのボタンを左手で器用に外していった後、胸の上をゆっくりすべりだす。
 このおじさんも痴漢だったのだ。しかも、スーツのおじさんよりテクニシャン。
 革ジャンおじさんの手がソフトに乳首に触れると、
「………あうっ」
 思わず声が出て、大胸筋が震えた。
 スーツのおじさんは喘ぎ声が自分の手柄だと思ったらしく、一旦股間から手を離し両手でぼくの顔を挟んでヌッと唇に唇を押し付けてきた。1カットたりとも映画を見逃したくないぼくは横目で必死にスクリーンを見つめる。
 なめくじのような舌が口の中に侵入してくる。
 横目で見る映画の中では、主人公がヒロインと口づけしている。同じキスでも、なんと羨ましく感じたことか。
 乳首のおじさんの指もゆっくりと上がって来て、首筋から顎にかかり、そのままぼくの顔を右に向ける。
 左のおじさんから顔をそむけることになったのだが、助かったと思ったのもつかの間、今度は右のおじさんの唇が迫って来た。
 さっきのようにいきなりではなく、触れるか触れないかのようにゆっくりとぼくの唇に舌を這わし、唇を開かせてそっと触れる。やはりテクニシャン。
 その間にも映画は進行しているので、片時も目を離すことはなかった。
 ぼくの顔が反対側を向いているので、左のおじさんは耳たぶをペロペロ嘗め回し始め「可愛いよ……トヨタのカローラ買ってあげる」とささやく。
 何故ファミリーカーのカローラが出てくるのか、ちょっと笑いそうになった。
 
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