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第28章 義父の告白

義父に愛され澪も三歳に成った頃

義父の腕に頭を乗せ抱かれた快感に息を整えようとしている時 義父が話始めた 

「佐恵子さん」

「何です?」

「申し訳無い 貴方を抱く時間も後少ししか残って無い」 

佐恵子は起き上がり義父を見つめた 義父の悲しそうに頷く目と合ってしまった

「どういう事です?」

「この間の 検診で 専門医に見て貰えと言われ 検査してきたんだ」 

「肝臓がん ステージ4と言われてね」

「延命治療と言われたけど 私は断って来たんだ」

佐恵子は 言葉を失い 絶望の中に投げ込まれていた 
涙が溢れ滴り落ち 乳房に涙が零れ流れていた

声も無く 涙だけが流れ落ちている 声を上げたいが出てこない 
頭の中は 義父が自分から去って行く事を拒絶していた 

首を振り涙を流し続ける 

「いや」 初めて声が出た 

「嫌いや嫌」 首を振りながら義父に抱き着き大きな声で鳴き続け 

義父の暖かい手が裸の背に回され強く抱きしめて呉れ 
大きな胸に顔を埋め泣き続けて居た 泣き続けて居れば 
嘘に成って呉れる 嘘だ 嘘だ 泣き続け 

義父の胸から体を外し座り直した 

「後3か月位らしい」 義父の言葉を何処か遠い処で聞いていた

義父の部屋から出て お昼寝から起きて来た澪におやつを与え 
佐恵子の頭の中は混乱したままだった

家族の食事とお風呂を用意し 洗濯物をたたみ 
何も考えられない頭の中で体は何時もの様に動かしていた

孝之が帰り 食事の中で義父が孝之に病気の事を告げると 
孝之が延命をと義父を説得し始めていた

その夜から孝之は 色々とパソコンで検索し 
色々な病院を訪ねまわっていたが 義父の意思が固く

孝之も最後は

「親父の意思に 従うよ」 

義父を寂しそうに見つめ呟いた
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