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リヴァイ兵長は選べない人
第6章 熱情
毛布でリヴァイの全身を包み、その上から布団をかける。
両手で頬に触れてみる。
―まだまだ冷たい…
少し瞼がピクリと動いてはいるが意識が戻らない。
この状況をどうにも出来ない自分にミケは少し苛立ち始めていた。

「よし、火は着いたから後はガンガンに部屋を暖めるしかないね」

ハンジはベッドに近寄るとリヴァイの額に手を当てた。
そして手首を握り、脈を診ている。

「今は冷え切ってるけど、熱が出るかもなぁ。薬と水も用意するよ」
「ハンジ、この事はとりあえず内密にしといてくれ」
「エルヴィンにも?」
「ああ、頼む」

ハンジは少し考え込むような顔をした。
でも何かを察してくれたのか、コクンと頷いた。

「わかったよ、とりあえずリヴァイの様子を見よう」
「俺に、何か出来る事は無いのか…?!」
「んー、原始的な方法だけど、生肌同士で暖めあうと結構効果があるってのは…」

ハンジのその言葉を聞き終わらないうちに、ミケは豪快にシャツを脱ぎ始めた。

「ちょっちょっとストップ!!アンタ意外に行動派だね。私は席を外すとするよ。
薪は切らさないようにしてね。薬と水差しはドアの外に置いておくから」
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