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リヴァイ兵長は選べない人
第7章 素直になれなくて
エルヴィンはリヴァイの私室の扉の前にノックもせず立っていた。
倒れている所をミケが発見した、という言葉が引っかかっていたのだ。
今この中にいるのではないか?という疑念があったのだ。
そして昨日のミケの言葉をまた思い出す。

―リヴァイは俺が貰う

あの発言からも状況的に看病をしていてもおかしくない。
なるべくならこの状況でミケと鉢合わせをしたくなかった。
ノックをするかこのまま去るか、暫く扉の前に立ち尽くしていた。
色々な感情や考えが、まるでメビウスの輪を回るように、
ぐるぐると頭の中を駆け巡っていく。

…中から話し声は聞こえない。
思い切ってエルヴィンはノックを二回した。

「リヴァイ、私だ」

ゆっくりと扉を開ける。
隙間を覗くと、ベッドに横たわるリヴァイが見えて他に人の気配は無かった。
そのまま扉を開けると室内に足を踏み入れる。
…リヴァイは眠っているようだ。
なるべく音を立てないように静かに扉を閉めた。
一歩前に足を踏み出そうとした瞬間―

「…エルヴィンか?」
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