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リヴァイ兵長は選べない人
第7章 素直になれなくて
そっと寝返りを打ち、リヴァイがこっちに身体を向け口を開いた。
踏み出そうとした足をとっさにエルヴィンは留めた。
長年の付き合いがあっても、こういう状況は初めてだったので、
何事も無かったようにリヴァイに歩み寄る事が出来なかったのだ。
エルヴィンはその場でリヴァイに声を掛けた。

「倒れたと、ハンジから報告を受けたから様子を見に来た」
「悪ぃ、熱が下がらないから今日は一日安静にするように言われた。
職務に影響を出すような事をしてしまって済まねぇ」
「たまにはそういう事もあるだろう。今日はゆっくりするといい」

機械的なやり取りの言葉しか口に出来ない。
自分はこんなに余裕が無いのか…
何故優しい言葉を掛けてやれないのか…
言い過ぎたと一言謝ってやれないのか…

「なぁ、エルヴィン」

咄嗟に名前を呼ばれてエルヴィンはビクリとした。
リヴァイは視線は天井に向け、額の濡れタオルを押さえている。

「俺は…お前の部下として、駒としても必要とされなくなったのか…?」

エルヴィンにはリヴァイが一体何故そんな事を言っているのか、
理解するのに少し時間がかかった。
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