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リヴァイ兵長は選べない人
第9章 決断
リヴァイもミケの背中に手を回してギュウと強くしがみついた。
自分にとっていつも支えになってくれていたミケ。
どこまでも自分に優しいミケ。
でも彼を何かしら苦しめているのでは、という気持ちが拭いきれなかった。
しかしどんなに問い詰めても彼はきっと何も言わないだろう。
…抱き付く手に一層力が入る。
これも一つの愛の形なのだろうか?
ミケに何かしら特別な感情を抱いているのは否定出来ない。
でも一番自分が欲しているのはエルヴィンだと気が付いた。
今まで恋だの愛だの自分には分からなかった。
でもその相手はエルヴィンだと思い知らされた。
色々な想いが頭の中を駆け巡っていく。

「もう、旧本部へ戻るのか?」
「ああ、エルドとエレンとも話がある。早めに戻るつもりだ」
「そうか」

また手のひらで髪の毛を撫でながらミケは言った。

「まだ顔も熱い。身体が万全じゃないんだ、無理だけはするな」
「分かった」

ひょいっとミケの膝から飛び降りると、リヴァイは扉へ向かった。
今度はしっかりとミケの目を見ていった。

「ありがとう、ミケ」

そう言うと勢いよく扉を開けて出て行った。
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