この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネイル
第2章 疑惑
部屋に入りましょ?ね?拓也…
お、おう。
ねぇ…拓也
浮気したら殺すわよ…いいわね
…うふふ
相変わらず、口角だけは上がっているが目が死んでいる。
本気かもしれない。と俺は悟った。
全身背筋が凍るような寒気さえしていた。
キッチンで牛刀を握っていた手が震えている。
香織の後ろ姿が艶やかでさらに美しさに磨きがかかっていた。
恐怖にも似た感覚を覚えながらもその美しさに魅了されている自分がいた。
何人も…何人もの男がね。拓也
私に魅力されていった…
しかし、皆んな出ていったわ…
なぜかしらね?
私はいつもひとりぼっち。天涯孤独。
こんな寂しい事はないわ…
牛刀を握り朝ごはんを作るその手が止まっていた。
だ、大丈夫だよ。俺は逃げたりしないから。
とにかくその場しのぎの言葉を言っていた。
香織にこの気持ちはきちんと届いただろうか。
内心ビクビクして穏やかでなかった。
香織の後ろ姿からは身震いするくらいの怪しげなオーラが出ているのが分かる。
俺は恐ろしくなり、その場を逃げたくなっていた。
だから、あなたが尋ねてきてくれたあの日。
私はとても嬉しかったの。
だから少しでも話し相手が欲しかった。
拓也…ありがとうね。
いつまでも一緒よ?約束してね。
ああ、もちろんだとも。
私ね…もう失うのが怖い。
怖いのよ…
…別に自宅に帰ったところで何かあるわけでもない
このまま、香織との生活を送るのもいいかと思っている。
彼女は健気でひたむきで一途な愛がある。
私を…私を見捨てないでね。
お願いだかんね。
分かってるさ。
しかし、会社には一度顔を出さないと。
そうだったわね…
私はここを離れるわけにはいかない。
戻ってくるわよね?
ああ…
香織…ありがとう。
分かってくれて。
…今香織の内心はどうなんだろうか。
不安でたまらないだろう。
今まで何人もの男が香織の元から逃げたのか。
その度に彼女は心を傷つけられただろう。
俺は香織にそんな思いはさせないと思いながら、身支度をしていた。
明日には一旦帰省すると香織は約束してくれた。
1人残していくのは心許ないが仕方ない。
一緒にきたら?と誘ってはみたものの、断固として拒否された。
こんな山奥で育ってきた彼女のことだ。
都会暮らしが肌に合わないんだろう。
大勢の見知らぬ人たちの中、それよりも1人山奥で暮らす方が
彼女にとってはいいのかもしれない。

/21ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ