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ネイル
第2章 疑惑
俺のアナルを舐め回している。
ジュルジュルジュル…
吸い出して綺麗にしてくれている。
俺の気のせいかもしれないが
香織が数日前よりも一段と美しく綺麗になって
何だか肌艶もハリがあり、何ともこう…
若返っているような気さえした。
美しい…香織…香織!
こんなに綺麗なのに、こんなにイヤらしい女。
香織を見ると俺の足指を一本づつ、口に含むと
舌を使い隅々まで綺麗に舐め回していた。
俺の頭には衝撃が走る。
こんなことなんてされたことがなかった。
友人たちとの他愛の無い会話に明け暮れていた自分にとって
香織はこの上ないまた別の愛を感じることができる。
学生時代に好きだった女の子に遠回しに告白したことがあった。
俺自身、自分に自信がなかったあの頃
異性から愛情をもらうなんて経験など一度もない。
どうせ、俺になんて恋人などできないだろうと
返事をもらう前に諦めていた。
社会人になってから死にものぐるいで働いた。
たまに会う友人との酒盛りが俺の癒しになっていた。
こんなに幸せだと不安に陥ってしまう。
きみは罪深い女だなぁ…香織
なぜ?…ちゅぽ…
舌を伸ばしながら亀頭にむしゃぶりつく香織はそう聞いてきた。
いや…きみの美しさが罪だと言ったんだよ。
ま、いやだ。お世辞でも嬉しいです。
翌朝、香織はいなかった。
か、香織?
俺は起きて周囲を見渡す。
どこ行ったんだ?
髪の毛を掻きむしりながら裏口から外に出ると
香織は庭で草木に水やりをしていた。
おはよう…香織
起きたのね?こっちきて…
ん?何?
俺は香織に呼ばれて近寄ってみると
辺り一面に同じ草が生えていた。
これは?
これはね…アイビー。へデラともいうわ。
観葉植物よ。
私はこの観葉植物が好きなの。
ふ〜ん。植物とか好きなんだ。
私たちがいつまでもこうしていられるように…
そうでしょ?
あ、ああ。
俺はすばやく返事を濁すように返事をした。
怪しまれないように。
考えこんでるとこっちが疑われてしまう。
あら、そうでもないようね。拓也は
な、何言ってんだよ。バカだなあ。
私には分かるの。
あなたの気持ちが。心の中がね。
…と背中を向けて水やりをしていた香織が突然
顔だけ振り向いてこっちを見て睨みをきかせている。
口は口角が上がっていて微笑んでいたが、目が笑っていない。
香織が初めて見せた怒りにも見た表情だった。
何だか身震いがしていた…
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