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ネイル
第4章 完了
自宅に戻った俺は疲れ果ててすぐに爆睡モードに入った。
俺はその日久しぶりに夢をみた。
誰か見知らぬ人が俺を呼んでいる。
周りは薄暗くて顔がハッキリと見えなかった。
その人の背後の遠い場所にボンヤリと灯りが見える。
アレは…出口かな。
その人の顔の表情は見えない。
何も言わずにじっとこちらを見つめている。
誰だ?
亡くなった人が心配して夢の中に現れる…と聞いた事がある。
心配して出てくる人は、何も言わずにただじっと見つめているだけらしい。
俺にそんな人はいない。
フッ…と目が覚めた。
ああ、朝か…
起きたら夢のことは泡のように消えて忘れていた。
頭痛ッ…昨日は飲みすぎた。
修二のせいだ。
変なアプリなんてやらせやがって…あ
そうだ。マッチングアプリ。
俺はマッチングした女性に連絡してみた。
返事がすぐに返ってきたが、見れない。
何だよこれ。返事見るのに金取るのかよ。
じゃあいいや。
俺はそのまま放置して二度寝した。
ピロン♪
ん?LINEか?誰?
修二からだった。
おまえ、昨日の彼女に連絡したかぁー?
ああ。したけどさ、返事見るのに金取るんじゃねえかよ。
あたりまえだろ?世の中金だよ。金しだいってな。
これも何かの縁だろ?連絡してみなよ。
ああ、そのうちな。
何だか気乗りしなかったが、暇つぶしに連絡してみることにした。
こんにちは♪初めまして♪拓也と言います。
連絡が遅くなりましてすみません(T_T)
いえいえ、大丈夫ですよ。
気にしてませんから〜
それから俺たちはしばらく会話をしていた。
なんとなく気が合いそうな明るい女性だった。
彼女さんとは別れたんですか?
はい…フィーリングの問題だと思います。
分かりますよ…その気持ち。
俺たちはそれから1か月くらいは会わずにやりとりを続けた。
Kさん…俺、そろそろアプリのサブスクが更新切れになるんですよ。
気晴らしに始めただけですし。
楽しかったです。
ありがとうございました。
一度…会ってみます?
え?いいんですか?
はい。拓也さんと1か月話しをしてみて人柄が良く分かりました。
会ってお話ししましょう。
俺たちは後日、会う約束をした。
あれから、どうよ?
マッチングアプリの彼女は。
ああ、あれね。
会う約束したよ。
おお!やったじゃねえか。
まあな。
なんだよ。嬉しそうじゃないな。
おまえ、最近暗くねぇか?
ちょっとな。
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