この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
バカな男に私は夢中
第8章 繋想
「昨日..」
「昨日?」
「意識してないわけやない、ていわれた時、どないしよか思た。嬉しすぎて..可能性が出てきたかもしれん思たら、不安にもなって..照れて今日は話しかけれんかった。」
「そんなの言ってくれなきゃわかんないでしょ?」
いうと申し訳なさそうに私を見た。
「諦めたのか、飽きられたのかって思った。私が昨日あんなこと言っちゃったから。」
「ちゃう!飽きるわけないやろ!俺は...」
必死になる斎藤が可愛いくて、私は思わず微笑んでいた。
「百合ちゃん..何で笑うんや..」
「え....あ、何だか..わかんないけど..嬉しく..て?」
私が照れ笑いすると、ああ!もう!と斎藤が唸った。
そして..腕を掴まれ引き寄せられた。
「..ごめん..今日だけ許して....」
耳元で呟くと、そのままギュッと抱きしめられる。
「....っ....」
(今日だけ....今日だけ?でも私は..)
私は彼の胸で自問自答していた。
そして力がゆるみ、すっと離れそうになった彼の背中をとっさに掴んだ。
「え、百合ちゃ....」
驚いた様子の声が頭上から聞こえる。
「..今日だけなんて言わないでよ。」
「へ?」
私は恥ずかしくて胸に顔をうずめてボソッと言った。