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バカな男に私は夢中
第8章 繋想

「昨日..」

「昨日?」

「意識してないわけやない、ていわれた時、どないしよか思た。嬉しすぎて..可能性が出てきたかもしれん思たら、不安にもなって..照れて今日は話しかけれんかった。」

「そんなの言ってくれなきゃわかんないでしょ?」

いうと申し訳なさそうに私を見た。

「諦めたのか、飽きられたのかって思った。私が昨日あんなこと言っちゃったから。」

「ちゃう!飽きるわけないやろ!俺は...」

必死になる斎藤が可愛いくて、私は思わず微笑んでいた。

「百合ちゃん..何で笑うんや..」

「え....あ、何だか..わかんないけど..嬉しく..て?」

私が照れ笑いすると、ああ!もう!と斎藤が唸った。

そして..腕を掴まれ引き寄せられた。

「..ごめん..今日だけ許して....」

耳元で呟くと、そのままギュッと抱きしめられる。

「....っ....」

(今日だけ....今日だけ?でも私は..)

私は彼の胸で自問自答していた。

そして力がゆるみ、すっと離れそうになった彼の背中をとっさに掴んだ。

「え、百合ちゃ....」

驚いた様子の声が頭上から聞こえる。


「..今日だけなんて言わないでよ。」

「へ?」

私は恥ずかしくて胸に顔をうずめてボソッと言った。

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