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バカな男に私は夢中
第8章 繋想
「私、好きな人いるって言ったけど嘘。」
「嘘?」

「斎藤くんは本気じゃないと思ったから。でも...何だか、今日で、さ、斎藤くんにこんなこと..されないのもイヤな気がする?」

「なんで疑問系やねん!」

頭上でクスクス笑われ、反論しようと顔を上げると....

チュッ....

優しくキスされた。

少し離れてじっと見つめあう。

「また...キス..した..」

「だって百合ちゃん俺のこと好きやろ?」
ニッと笑って斎藤が言った。

「..そんなこと..言ってない..」

そういいながら斎藤から目が離せない。

「嘘ついたらあかんで。百合ちゃんはな、俺のこと..好きなんや。」

言い切ると、優しく微笑んで私を見つめた。

「..まぁ..そういうことにしてもいいけど。」

私が呟くとクスッと笑った。

「..ほな本人の許しも貰たことやし?」

「バカじゃない?」

そして目を閉じ、どちらからともなく唇を合わせた。

無理やりじゃない、苦しくない、思いの通った優しいキス。

きっとこれが本当のファーストキスだった。


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