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バカな男に私は夢中
第9章 初彼
マキがなにやらパクパク言っているが聞こえない。

「マ、マキ!お前へんなこと百合ちゃんに言うなよ!百合ちゃんは純粋なんや!」

マキ、と百合、だけは聞き取れたが、他は何も曖昧だ。

身動きがとれずじっとしていると手が離れた。

斎藤は相変わらずニヤニヤしていた。




「ねぇ。全身下半身て何?」

「うわおっ!」

私の家に向かう道。

最近は私を送るといって聞かないのだ。


(斎藤くんの勉強時間減っちゃうのに。)

私の問いに隣を歩いていた斎藤が飛び上がった。

「..キモイよ。」

「..いきなり変なこと聞くからやろ!そんなん気にせんでええねん!..それより..」

ん、と手を差し出された。

「?」

「ほら、こう!」

そういって手を取られぎゅっと握られる。
「!?」
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