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バカな男に私は夢中
第10章 欲望

「ほな..今日で手繋ぐんも..ぎゅってするんも..ちゅーも最後なんか..?」

恨めしそうに見る彼に少し罪悪感が湧いた。

(やっぱり言うべきだったのかな..忘れてたな..)

「でも、別に行こうと思えば行けるわけだし。」

「ほんまか!?」

パアッと顔が明るくなった。

「うん。まぁ気が向いたら。」

私が言うとまたしゅんとなった。

「百合ちゃんの気が向くんいつやねん。」
「そんなのわかんないけど..行くときメールするよ?」

斎藤はうん、と頷くとぎゅっと手を握った。

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