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バカな男に私は夢中
第10章 欲望

「..百合ちゃん、その目ほんまアカンから。」

そういうとすっと目を逸らされる。

「え?ひゃあっ」

私が首を傾げると、また脇の下に手を入れて机からおろされた。

斎藤を見上げると、ごめんな、と謝られる。

「何が?」

「..嫉妬..してもた。」

心なし赤くなった斎藤を見て、笑ってしまった。

「わ、笑わんかてええやろ!こいつイケメンやし..百合ちゃんに好きになって..」

「クスクス..振られたよ、私。」

俯いていた顔がバッと上がる。

「えぇ!?百合ちゃんを!?」

「うん。幼なじみで、お兄ちゃんみたいに可愛がってくれてて、好きだったんだけど。」

「な、なんでや!ありえへん..」

「うーん..まぁ対象外だったんだよね。」
私が笑っていうと、 斎藤が首を傾げた。

「達也にぃ って呼んでたんだけど..」
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