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バカな男に私は夢中
第10章 欲望

達也にぃは私の7つ上で、近所に住んでいるお兄さんのような存在だった。

昔からよく遊んでくれて、私は大好きだった。

中学くらいから恋愛対象として見るようになって、いつも後ろをついてまわってた。
高一の時に両親が私の家庭教師になってほしいと頼んで、週に一度 勉強を見て貰う。

その時間が大好きだった。

でもー

『え、来月で終わり..?』

『ごめんな、百合。就活とか色々忙しくなるから..』

達也にぃが申し訳なさそうに、私の頭を撫でた。

『やだ..そんなことになったら私、違う家庭教師頼まれちゃう!達也にぃがいい!』

『百合..』

昔のようにぎゅっと抱きつくと、頭をポンポンとして優しく離された。

『なんで..?ぎゅってしてくれてたのに..私のこと嫌いになったの?』

私が見上げると、苦しそうに言った。

『違うよ。でももうダメだよ。百合は高校生になったんだし、女の子なんだから。それにこういうことは彼氏とね。』

そういって笑うと荷物を片付け、部屋を出ていこうとした。
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