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バカな男に私は夢中
第10章 欲望
その彼の後ろから腰に手を回した。
『百合。』
『..私の気持ち知ってるでしょ?どうしてダメなの?』
『百合..俺は..』
『私、達也にぃが好き。ねぇ..』
すると彼の身体が小刻みに震えだした。
『..ごめん百合..知ってた....けど、百合の気持ちには..答えられない。』
その瞬間涙が溢れてきた。
『ど..して?嫌い?私のこと..子供だから?』
すると私を優しく剥がして、振り向いた。
『ちがう。ごめん..俺..百合だけじゃない..女の子は好きになれない..』
『..へ?』
涙がすぐに引っ込む。
(今..なんて..?)
『ごめん、傷つけたくなくて言えなかった。俺..対象が女じゃない。』
『う、そ..』
ほんとだよ、と悲しそうに微笑むと頭をポンとしてドアを開けて出ていった。