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バカな男に私は夢中
第10章 欲望

斎藤がおずおずと私を伺う。

「え..?」

思わず斎藤を見返した。

(私が付き合ってるのは斎藤くんなのに..)


『俊にもさ、素直にならなきゃ!あいつ、真っ直ぐなとこあるからそのまま捉えちゃうとこあるし。』

マキの言葉を思い出す。

私は斎藤を真っ直ぐ見た。

「バカ。私が好きなのは斎藤くんだよ?私が付き合ってるのは斎藤くんだし。達也にぃはもう関係ない。」

目を見開いて私を見る。

「それに..タバコ、今止めれてるの、斎藤くんのおかげだよ。」

「俺の?」

「斎藤くんと出会えて、マキや賢治くんに会えたからいつの間にか止めてた。辛い思い出も気にならなくなった。私は斎藤くんが」

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