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バカな男に私は夢中
第12章 前進

そしてー

私たちは顔をあわせることなく、二次試験を迎えた。

『直接会えへんけど..お互い頑張ろなっ』
『うん。頑張ろう。』

現地から電話してきた斎藤と励ましあい、私たちは電話を切った。

(大丈夫..二人とも受かる。)

そう何度も思って試験に挑んだ。



「百合ちゃん明日発表やっけ?」

いつものカフェで斎藤が聞く。

「うん。斎藤くんは明後日だよね。」

「そうや。..ああ緊張するわ!自己採やとギリやねんよなー!」

「信じるしかないよ。」

そういいながらも自分自身、相当緊張していた。

(私も自己採では受かってるはず..)

すると斎藤が私を見て、あのさ、と切り出した。

「....百合ちゃんも俺も私立は受かっとるし、後期受けへんやん?発表終わって手続きとか済ましたら..旅行いかへん?」

「旅行..?」
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