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バカな男に私は夢中
第4章 衝撃
(......なんで。)
「百合ちゃんおはよ~さん!」
(なんでコイツが....この電車に....)
「あれ?なんや顔色悪い?てか昨日ごめんなぁ!そんなびっくりするとは..」
「なんであんたがここに乗ってるのよ!」
私はへらへらしている斎藤を見上げて言った。
「なんでって..たまたま一本遅いん乗ったら、百合ちゃんがおったんやで。」
運命ちゃうか?と言う斎藤を、満員電車の中で蹴った。
「いたっ..!」
「自業自得よ。」
私がふん、と顔を背けると、小さくため息をついて
「百合ちゃん、ここ電車..するならあとで、二人きりで..やで?」
わざと耳元に口を寄せ、ささやいた。
少し周りに聞こえる声で。
チラリと周りのおじさんたちが私たちを盗み見たのがわかった。
(..こいつ..!!)
「....キモイ、うざい、死ね。」
暴言を吐き捨てると、予備校のある駅でさっさと降りた。
不覚にも胸の鼓動が鳴り止まない。
(なにドキドキしてんのよ..!)
「百合ちゃ~ん、待ってぇや~!」
後ろから追いかける斎藤を無視する。