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バカな男に私は夢中
第5章 心惹

「いたっ..!」

いきなりの衝撃に顔をしかめる。

「あんたねぇ..!」

抗議しようと口を開くと

「んふぅ!」

唇で塞がれた。

「ふ....んー!」

ぐいぐい胸を押し返すがビクともしない。
顔を背けようにも顎から後頭部に回った手でホールドされ、動けない。

ようやく離れかけた口で息を吸い込もうとした時、すぐに生暖かいものがニュルッと入り込んできた。

「んんっ..ふぅう....ん..!」

口の中で暴れる舌が私を探す。

すぐに探しあてられ舌先でつつかれ、ビクッとした。

不思議な感覚に力が緩む。

するとぐいと腰を引き寄せられた。

「んっ..」

そのまま舌を絡めとられそうになり、私は必死に逃げる。

しかし顔の角度を変え、奥まで入り込んできた舌に勝てない。

チュル..ヌチャ..

唾液の音に頭がボーッとしてきた。

(私....)

次第に涙が溢れてきた。

(こんなやつに..やっと心が開けそうだったのに..)

抵抗を止め、暴れる舌に身を任せる。

涙が後から後からポタポタと流れた。

涙に気づいた斎藤がハッと顔を離す。
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