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バカな男に私は夢中
第5章 心惹
「..やった....」
返却された模試を見て、思わず歓喜の言葉が出た。
(上がった!前よりも!)
教室だというのに ちょっとにやけてしまって、慌てて無表情に戻した。
(早く家に帰ろう....!)
私は鼻歌を歌いそうになりながら、帰る準備をしはじめた。
あれから1ヶ月以上がたち、季節は12月。
斎藤はもう私に話しかけることもなくなり、私も気にしないようにしていた。
一回目は不意打ちとはいえ、何故か嫌悪感はなかった。
けど二回目に無理やりキスされた時は絶望しかなかった。
(もう知らない..どうせ関わることのなかった人種だし。)
常に人に囲まれる斎藤と、一人で勉強ばかりの自分では住む世界が違う。
もう少しで 友達になれるなんて思ったのも、少し..惹かれそうになってたのも、全部間違いだった。