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バカな男に私は夢中
第5章 心惹
「ねぇ伏見さん。」
廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「は?」
心底イヤそうな顔で振り返ると、相手は目を見開いて、すぐに笑顔になった。
「ほんとに噂に聞いた通りだね。白百合様。」
「....」
「俺のこと覚えてない?百合ちゃん。」
「誰よ。」
変な奴、と思いながら考える。
その間ずっとニコニコしていた。
ニコニコ....この笑顔....どっかで....
「....あ。」
「思い出した?」
「ふみ..や..?」
「そうだよ!よかったー!」
「わぁ..久しぶりね!」
私は思わず笑顔になった。
そうだ、文也だ!
「けどどうしてここに?」
私が聞くと、肩をすくめて笑った。
「親が勉強しろってうるさくてさ。ここの高校生の授業うけてるんだ。」
その言葉に文也の制服を見て納得した。
「そういえばあんた高3だったね。」