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バカな男に私は夢中
第5章 心惹
「うん。」

私は時計を見た。

「あ、ねぇ文也、ちょっと話さない?」

「いいよ!そのかわり百合ちゃんの奢りね!」

「はいはい。」

私は久しぶりに古い友人に会って、ここは予備校だというのに笑っていた。

前まで通っていたカフェに入り、いつもの席を選ぶ。

「..ここ喫煙席だよ。」

首を傾げる文也に慌てて場所を変えた。

(しまった..いつもの癖で..)

すると椅子に座りながら文也がため息をついた。

「まだタバコ止めてないの?」

「....」

「兄貴のことまだ....」

「達也にぃは関係ないよ。もう吹っ切れたから。」

私が言うと、文也が悲しそうな顔をした。
「ただ、癖なの。止めようと思うけど無理なの。」

「....」

私はそういうと立ち上がり、カウンターに二人分のコーヒーを注文しに行った。
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